[PC24] 保育専攻学生の英語学習意欲に関する一考察
Keywords:英語教育, 学習意欲
目 的
近年,グローバル化が進むにつれ,英語コミュニケーション能力が益々重要視されてきている.小学校において英語科目が必修化されたように英語教育の低年齢化が進む一方,大学においても英語科目のカリキュラムの更なる充実が求められている[1].
本研究では,保育専攻学生が英語学習についてどのように思っているのか,特に英語学習意欲について捉えるとともに,保育系学部の英語カリキュラムをより良いものにするにはどうすればよいのか探ることを目的とし,アンケート調査を行った.
方 法
被調査者
埼玉県内U大学こども学部学生100名:
1年生 39名,2年生 22名,3年生 33名,
4年生 6名
調査方法
質問紙による記名式のアンケート調査を行った.アンケートは以下のa ~ iの9つの尺度について,合計24項目で構成されている.
a.一般的な英語学習意欲(6項目)
b.リスニングへの意欲(3項目)
c.リーディングへの意欲(2項目)
d.ライティングへの意欲(2項目)
e.スピーキングへの意欲(2項目)
f.努力への原因帰属(2項目)
g.学習法の工夫への帰属(2項目)
h.外的要因(教師や環境)への原因帰属(3項目)
i.学習方法と適性(教師による学習か,自分で学ぶか)(2項目)
各項目について,被調査者に,1から5までの5段階(5 = 最も当てはまる)の点数で回答してもらった.
手続き
2017年5月中旬の講義中にアンケート用紙を配布し,回収した.
結果と考察
a ~ i 各尺度の学年別の平均と標準偏差を求めた.数値は各尺度の合計得点を項目数で割ったものである.
まず,「一般的な英語学習意欲」については,平均が2.05,2.17,2.23,2.33と,学年が上がるにつれて,高くなっている.
次に,リスニング,リーディング,ライティング,スピーキングの各技能別の意欲については,リスニングに対する意欲が2.53(3年生)~ 2.78(4年生)であり,いずれの学年においても4技能中最も低い.一方,スピーキングに対する意欲は3.25(4年生)~ 3.98(3年生),また,ライティングは3.08(4年生)~ 3.95(1年生)と,全体的に高い傾向が見受けられる.1年生の場合,スピーキングもライティングと同じ値であるが,他の学年ではいずれもスピーキングの方が0.2程度高くなっている.従って,今回の被調査者全体として,スピーキング力,次いで,ライティング力向上に対する意欲が高いと言える.
また,「学習方法と適性」については,4年生の平均が3.33,3年生は3.52と,3年生が0.19高くなっている.これは,3年生の方が,自分で学ぶよりも教師による学習の方を望む傾向が強いことを表している.
さらに,「学習法の工夫への原因帰属」の結果は,3年生が2.65と最も低く,一方,4年生が最高の3.08,次いで,1年生の2.90となっている.この結果より,4年生や1年生が英語力向上に向けて,学習法を自ら工夫しながら,自分自身で学んでいこうとしている姿勢が窺われる.
まとめ
保育専攻学生の英語学習意欲について調査を行った.今後は,本結果を踏まえたカリキュラムの検討を行っていくとともに,学習意欲の違いにより,その後の英語力の変化に違いが見られるのか,調査を行う予定である.
参考文献
[1] 伴,皆川:授業イメージの変化に関する一考察,日本教育心理学会第54回総会発表論文集,PE-048,529(2012).
近年,グローバル化が進むにつれ,英語コミュニケーション能力が益々重要視されてきている.小学校において英語科目が必修化されたように英語教育の低年齢化が進む一方,大学においても英語科目のカリキュラムの更なる充実が求められている[1].
本研究では,保育専攻学生が英語学習についてどのように思っているのか,特に英語学習意欲について捉えるとともに,保育系学部の英語カリキュラムをより良いものにするにはどうすればよいのか探ることを目的とし,アンケート調査を行った.
方 法
被調査者
埼玉県内U大学こども学部学生100名:
1年生 39名,2年生 22名,3年生 33名,
4年生 6名
調査方法
質問紙による記名式のアンケート調査を行った.アンケートは以下のa ~ iの9つの尺度について,合計24項目で構成されている.
a.一般的な英語学習意欲(6項目)
b.リスニングへの意欲(3項目)
c.リーディングへの意欲(2項目)
d.ライティングへの意欲(2項目)
e.スピーキングへの意欲(2項目)
f.努力への原因帰属(2項目)
g.学習法の工夫への帰属(2項目)
h.外的要因(教師や環境)への原因帰属(3項目)
i.学習方法と適性(教師による学習か,自分で学ぶか)(2項目)
各項目について,被調査者に,1から5までの5段階(5 = 最も当てはまる)の点数で回答してもらった.
手続き
2017年5月中旬の講義中にアンケート用紙を配布し,回収した.
結果と考察
a ~ i 各尺度の学年別の平均と標準偏差を求めた.数値は各尺度の合計得点を項目数で割ったものである.
まず,「一般的な英語学習意欲」については,平均が2.05,2.17,2.23,2.33と,学年が上がるにつれて,高くなっている.
次に,リスニング,リーディング,ライティング,スピーキングの各技能別の意欲については,リスニングに対する意欲が2.53(3年生)~ 2.78(4年生)であり,いずれの学年においても4技能中最も低い.一方,スピーキングに対する意欲は3.25(4年生)~ 3.98(3年生),また,ライティングは3.08(4年生)~ 3.95(1年生)と,全体的に高い傾向が見受けられる.1年生の場合,スピーキングもライティングと同じ値であるが,他の学年ではいずれもスピーキングの方が0.2程度高くなっている.従って,今回の被調査者全体として,スピーキング力,次いで,ライティング力向上に対する意欲が高いと言える.
また,「学習方法と適性」については,4年生の平均が3.33,3年生は3.52と,3年生が0.19高くなっている.これは,3年生の方が,自分で学ぶよりも教師による学習の方を望む傾向が強いことを表している.
さらに,「学習法の工夫への原因帰属」の結果は,3年生が2.65と最も低く,一方,4年生が最高の3.08,次いで,1年生の2.90となっている.この結果より,4年生や1年生が英語力向上に向けて,学習法を自ら工夫しながら,自分自身で学んでいこうとしている姿勢が窺われる.
まとめ
保育専攻学生の英語学習意欲について調査を行った.今後は,本結果を踏まえたカリキュラムの検討を行っていくとともに,学習意欲の違いにより,その後の英語力の変化に違いが見られるのか,調査を行う予定である.
参考文献
[1] 伴,皆川:授業イメージの変化に関する一考察,日本教育心理学会第54回総会発表論文集,PE-048,529(2012).