The 60th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

Presentation information

ポスター発表

[PE] ポスター発表 PE(01-71)

Sun. Sep 16, 2018 1:30 PM - 3:30 PM D203 (独立館 2階)

在席責任時間 奇数番号13:30~14:30 偶数番号14:30~15:30

[PE13] グループ学習を取り入れた算数授業の有効性

石田淳一 (横浜国立大学)

Keywords:算数, グループ学習, 問題解決

問題の所在
 算数授業におけるグループ学習の取り入れ方を検討した授業実践から,問題の難易度に応じて2つのタイプのグループ学習を選択することが効果的であることが示唆された(石田・神田,2015)。解決が容易な問題のときは,自力解決後にグループ内で解法の比較検討を行い,よりよい解法をグループの解法としてまとめる発表検討型が,解決が困難な問題のときは,解法の見通しの話し合いからグループで行い,方針を決めてメンバー全員で協力して解法をつくり,まとめる解法探索型が適切であるというものである。しかし,グループ学習を取り入れた研究の多くは発表検討型であり,解法探索型のグループ学習の有効性の検討が行われていない。

目  的
 本研究の目的は,解法探索型のグループ学習を取り入れた算数授業の有効性を検討することである。

方  法
(1) 対象児童
 広島市立O小学校6学年2クラスの児童58人を対象とした。グループ学習を取り入れた授業展開を行う実験群(28人),グループ学習を取り入れない授業展開を行うクラスを統制群(30人)とした。
(2) 授業で扱う問題
 取り上げる問題は6年生には解決が困難な問題である全体を割合1と考えて解決する問題である。
 問題1 Aのじゃ口から水を入れると10分,Bのじゃ口から水を入れると15分かかります。A,B両方のじゃ口から水を入れると何分で水槽はいっぱいになりますか。
 問題2 兄と弟の2人がペンキをぬると40分,弟だけでぬると60分かかります。2人一緒にすると何分でぬれますか。
(3) 授業展開
・実験群の授業展開
問題1の問題把握(7分)→グループ解決(8分)→全体の話し合い(15分)→まとめ(4分)→個人による問題1の解き直し(4分)→問題2の個人解決(5分)→問題2の解説
・統制群の授業展開
 実験群のグループ解決を個人解決(8分)とした以外は同じである。
(4) 分析方法
 子どものノートをもとに問題2の解答状況を調べる。また,授業翌日に事後テストを10分間で実施した。事後テストの問題1は授業の問題2と同じ問題,問題2は本時問題1の発展問題(じゃ口をA,B,Cとした)である。

結  果
(1) 問題2の解答状況
 実験クラスは26人(28人中)が正解し,統制クラスは19人(30人中)正解した。正答率はそれぞれ,92.9%,63.3%であり,実感クラスの方が有意に正解する子どもが多かった。χ2=5.661,p<.05)
(2) 事後テストの結果
 正答率の差は,いずれも実験群の方が有意に高かった(それぞれχ2=56.564,p<.05,χ2=54.579,p<.05)。
(3) 統制群の問題1,2の解答状況
 問題1を自力解決できなかった子どもの多くが問題2の自力解決ができなかた。

考  察
 事後テストの結果は,困難な問題を扱う場合,の問題1の解決に解法探索型のグループ学習を取り入れる授業展開の効果を示唆している。また,統制群の問題1と問題2の解答状況の比較から,問題1の自力解決ができない子どもは話し合い場面で問題1の解法が理解できなかった可能性がある。問題1をグループ解決させることで,グループの全員がわかることを目標とする協同学習が行われることが,多くの子どもの理解を促したと考えられる。