The 60th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表

[PE] ポスター発表 PE(01-71)

Sun. Sep 16, 2018 1:30 PM - 3:30 PM D203 (独立館 2階)

在席責任時間 奇数番号13:30~14:30 偶数番号14:30~15:30

[PE54] 教員養成課程履修学生の特別支援教育への不安感・負担感と関り体験の関連の検討

高橋幾 (早稲田大学)

Keywords:教員養成課程, 特別支援教育, 不安感・負担感

問題と目的
 特別支援教育を推進している日本において,教員養成課程履修学生が,障害児者への理解を深めることは重要なことと考える。梅永(2012)は,障害児者教育の1つとして,交流教育の有用性を指摘している。武藤・平松(2004)は,介護福祉士資格取得を目指す学生へ行ったアンケート調査から,ボランティアや実習といった体験学習は,自己の体験を肯定化していく面があり,そのことが介護やボランティアに対する参加者自身の意識の変容をもたらすことを明らかにしている。一方で,徳田(2005)は,障害の理解については,「する,しない」といった1次元的なものではないことを指摘している。島田・榎本(2017)は,教職課程在籍の学生向けの発達障害児や家族とかかわる療育キャンプと演習授業の事後アンケートで学生の障害に対する意識の中で両価的な変化が起こった可能性を報告している。
 以上の先行研究から,障害児者への意識や理解は,1要因に絞られるものではなく複数の要因から影響を受けている可能性があると考える。本研究では,教員養成課程履修学生の特別支援教育に関する意識に影響する要因を,「障害児者との関わり経験」と仮定し,教員養成課程履修学生の特別支援教育に対する不安感・負担感,やりがいのなさとの関連を明らかにすることを目的とする。

方  法
調査対象・使用尺度及び質問紙
 本研究の調査対象者は首都圏の開放性教員養成を行うA大学に通う教育学部生及び教員養成課程履修学生393名に対して調査を実施し,有効調査対象者は334名であった。本研究では,特別支援教育負担感尺度(高田,2009)を用い,回答を求めた。同時に,障害児者との関わり体験についての回答を求めた。

結  果
特別支援教育負担感尺度の不安感・負担感とやりがいのなさの2つの下位尺度得点に対して,現在(1年以内)の関りの有無,過去(1年以上前)の関りの有無を要因とする2要因分散分析を行った。その結果,不安感・負担感において交互作用が1%水準で有意であった。(Table 1)
 「過去ある・現在ない」群と「過去ある・現在ある」群で「過去ある・現在ある」群が,有意に得点が低かった。また「過去ない・現在ある」群と「過去ある・現在ある」群では,「過去ある・現在ある」群のほうが,有意に得点が低かった。

考  察
 教員養成課程履修学生の特別支援教育に対する不安感・負担感は,現在の障害児者との関りに影響を受けるが,その要因は,過去の体験の影響も受けている可能性が示唆された。徳田(2005)が示すように,障害の理解は1次元的なものではなく,他の要因との相互作用によって変化している可能性が示された。