The 60th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表

[PG] ポスター発表 PG(01-76)

Mon. Sep 17, 2018 10:00 AM - 12:00 PM D203 (独立館 2階)

在席責任時間 奇数番号10:00~11:00 偶数番号11:00~12:00

[PG14] NPO法人発達障害療育センター学習教室での学習支援Ⅱ

金子正弘 (京都大学大学院)

Keywords:発達障害

 はじめに
NPO法人発達障害療育センター学習教室で,発達障害の児童,生徒に対する学習支援を行った。発達障害のなかでも,知的障害がある中学生,高校生に対する学習支援と,典型的な自閉症スペクトラムの小学生に対する学習支援を行った。学習支援を振り返り,それぞれの児童,生徒の特徴,適切な支援法について検討した。

知的障害がある中学生
 特別支援学校に通う知的障害がある中学生に対する学習支援では,生徒は会話が成り立たない,注視が成り立たない,読み書きが困難,文字が区別できない,文字の上下左右を区別できていない,個数の数え間違えが多い,大小の区別ができない,多いか少ないかの区別ができない,お金が高いか安いか区別することができない,食べ物やにおいに過敏であり食べ物と食べ物でないものとの区別ができていないことがわかった。学習支援を継続していくと,何度も同じ問題を間違えてずっと正解することができなかったり,同じ問題を正解するまで非常に時間がかかったり,正解してもまた間違えたり,次第に良くなった後でまた悪くなったりすることがわかった。また,文字よりも図形のほうが得意であることが考えられる。また,先生によって態度が違い,生徒の先生に対する態度から先生の心情を理解している場合があることが考えられる。さらに,学習支援を継続させるには料金を払う保護者のことを十分考えて行わなければならないことがわかった。

知的障害がある高校生
 養護学校に通う知的障害がある高校生に対する学習支援では,生徒は普通に話すことができない,突然笑いだしたり叫んだりすること,よくわからない独り言を言ったり,笑ったり,落ち着きがないときが多いこと,3文節の文章は覚えられるが4文節に長くなると覚えられない,お金の計算が困難,小学生の反対語の問題間違えが多い,小学4年生の漢字のなかに読み書きがいつまでもできない漢字があること,人の気持ちや表情を理解することが困難であることがわかった。また,いくら言っても直すことができないことがあることがわかった。また,食べ物やにおいに敏感であるのか,あるいは知的障害がある中学生の影響により周りからの情報収集力があることが考えられる。知的障害がある中学生よりも食べ物やにおいに敏感ではないことがわかった。学習支援を継続していくと,何度も同じ問題を間違えてずっと正解することができなかったり,同じ問題を正解するまで非常に時間がかかったり,正解してもまた間違えたり,次第に良くなった後でまた悪くなったりすることがわかった。また,先生によって態度が違い,生徒の先生に対する態度から先生の心情を理解している場合があることが考えられる。さらに,学習支援を継続させるには料金を払う保護者のことを十分考えて行わなければならないことがわかった。

自閉症スペクトラムの小学生
 典型的な自閉症スペクトラムの小学3年生に対する学習支援では,生徒は漢字がなかなか覚えられない,文章の組み立てができない,語彙力が少ない,想像力が乏しい,落ち着きがない,言語力,国語力が乏しい反面,ゲームや算数が好き,得意であることから理系オタクの傾向があること,友達が多く,学校生活が楽しいことから,コミュニケーションが苦手でない場合があること,ふだん自分に優しい人に愛着があること,漢字の読み書きが苦手であること,小学生レベルの「誰が?何をしている?」についての問題に理解力があること,お金の計算問題や,小学生の反対語の問題に理解力があること,人の気持ちや表情を理解することができること,食べ物やにおいについて特に敏感ではないことがわかった。さらに,学習支援を継続させるには料金を払う保護者のことを十分考えて行わなければならないことがわかった。