The 60th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表

[PG] ポスター発表 PG(01-76)

Mon. Sep 17, 2018 10:00 AM - 12:00 PM D203 (独立館 2階)

在席責任時間 奇数番号10:00~11:00 偶数番号11:00~12:00

[PG25] はじめての小学校授業(1)

授業計画及び実施について

糠明珊 (元智大学)

Keywords:小学校, 授業

はじめに
 地元の霄裡小学校より,「生活,自然と社会」との授業支援の請求をいただき,小学校での授業をはじめた。「生活,自然と社会」の授業で,自転車をメインとして,授業の取り組みを考え,機械工学学科の陳永樹先生と,二人で担当することになった。六年生のA,Bクラスを対象として,火曜日三コマ目(10:20-11:00,Bクラス,15名)及び四コマ目(11:10-11:50,Aクラス,13名)の時間で,2017年10月から2018年1月まで,合計13回の授業を行った。

授業の方法及び内容
 長い間,大学生を対象とした授業をやってきたので,大学で講義を中心とした方略で,集中力が長くない小学生には通用出来なかった。それに,はじめての小学生授業は慣れないばかりか,かなりの調整は必要であった。
 子どもたちに興味を持って学んで欲しく,自転車のルールやマナーもわかりやすく伝え,もちろん危険性もうまく伝えたい。それに,学習者中心として授業作りを心がけて,授業の実用性を考慮に入れ,生活と関連付けて,便利な工具使用の内容も取り入れた。それゆえ,講義のほか,応答,実演,ハンズオンなどの方略もこの授業に用い,下記の通り,スケジュールを立てた(Table 1)。

授業の成果
 自転車をメインとしての授業なので,受講生全員が自転車に乗れる目標を立てた。二クラスには一人ずつ乗れない生徒(C君とD君)がいて,陳先生がテキスト(Sidwells, 2005)の教授法により,授業外の練習時間を設け,意外にC君とD君とも,ただの10分で乗れるようにできた。あまりにも効率的なのが,霄裡小学校の校長が驚いて,「霄裡神話」まで名づけた。
 担任先生の話によれば,物事に自信がなかったC君が自転車に乗れない壁を乗り越えたことにより,本人の自信が持てるようになり,能動的に授業に参与するようになった。D君が自転車に乗れるようになってから,この授業での学習もより積極的な態度を示した。
 この授業の成績の評定について,受講証明書を発行することにした。最終講義で,生徒一人ずつ,授業内容をレビューしてから,受講証明書を与える。驚いたことに,みんながそれぞれ異なった授業内容を語り,担当教師も覚えられないほど,細かい授業内容までレビューし,みんなが真剣に受講していたことが明らかになった。

まとめ
 最終講義で,子どもから感謝のメッセージカード(Figure 1)をいただき,素朴な気持ちを込められた絵と文字から,教育という仕事の意味を改めて教えさせられた。

文  献
Sidwells, C.(2005). Complete bike book. DK ,New York.