[PB04] 人間関係に関わる発達
特別な支援を必要とする人との関わりの影響
Keywords:特別な支援、接触経験、交流教育
問 題
障害のある子どもが障害のない子どもとの交流及び共同学習を通して相互理解を図ることは,地域社会の中で積極的に活動し,その一員として豊かに生きる上で,極めて重要であるとされている。 交流教育を通して,障害のない子どもに対して,障害のある子どもに対する正しい認識や好ましい態度を育成することは非常に重要な課題であり,効果的な教育のためには,障害のない子どもが障害のある子どもに対して実際にどのような理解や認識を持っているのか,どのような態度を形成しているのか,その態度を維持したり変化させたりする要因にはどのようなものがあるのか,どの時期にどのような交流を行うのが効果的なのか,などについて具体的に把握し,詳細な検討を行うことが必要であろう。本研究では,接触時期や接触内容の違いと特別な支援を必要とする人(子ども)に対する態度の関連について,総合的かつより詳細に考えるために,接触経験の時期を4つ(就学前期,小学校時代,中学校・高等学校時代,大学時代)に分け,直接接触(学び・遊び)の経験と特別な支援を必要とする人(子ども)に対する態度との関連について検討していく。
方 法
調査対象 東京都内の保育系大学2年生女子139名(平均年齢20歳1ヶ月)
調査時期および調査方法 2017年10月に質問紙調査を実施。授業時間内に調査用紙を配布・回収。実施時間は約15分。
調査内容
(1)特別な支援を必要とする人(子ども)との接触経験について:渡邊・青山・稲冨(2015)が使用した,障害児・者との接触経験についての接触時期ごとの質問の中から,同じ場所での活動や学びについての質問を選択し,5段階で回答を求めた。(例)小学校の頃,日常的に特別な支援を必要とする子どもと同じ教室で学んでいましたか。
(2)特別な支援を必要とする人(子ども)に対する多次元的態度尺度:楠・金森・今枝(2012)から23項目,オリジナル2項目の計25項目について,5段階での評定を求めた。(例)特別な支援を必要とする人にも気軽に声をかけられると思う。
結果と考察
小学校時期および中学校・高等学校時期の総合的な接触経験には,いくつかの態度への肯定的な影響がみられた(Table1参照)。また接触内容による影響の違いもみられた。これらの結果は,認識や態度の種類によって,より効果的な影響を与える接触内容が異なる可能性を示すと同時に,接触時期の違いによる影響の可能性についても示唆していると考えられる。さらに、小学校時期よりも中学校・高等学校時期の方が,より効果的に肯定的な影響を与える認識や態度があり,与えられた「知識」とそれに対する「認識」のために,そして「態度」の変容のためには,一定期間の教育が必要であるとも考えられる。
障害のある子どもが障害のない子どもとの交流及び共同学習を通して相互理解を図ることは,地域社会の中で積極的に活動し,その一員として豊かに生きる上で,極めて重要であるとされている。 交流教育を通して,障害のない子どもに対して,障害のある子どもに対する正しい認識や好ましい態度を育成することは非常に重要な課題であり,効果的な教育のためには,障害のない子どもが障害のある子どもに対して実際にどのような理解や認識を持っているのか,どのような態度を形成しているのか,その態度を維持したり変化させたりする要因にはどのようなものがあるのか,どの時期にどのような交流を行うのが効果的なのか,などについて具体的に把握し,詳細な検討を行うことが必要であろう。本研究では,接触時期や接触内容の違いと特別な支援を必要とする人(子ども)に対する態度の関連について,総合的かつより詳細に考えるために,接触経験の時期を4つ(就学前期,小学校時代,中学校・高等学校時代,大学時代)に分け,直接接触(学び・遊び)の経験と特別な支援を必要とする人(子ども)に対する態度との関連について検討していく。
方 法
調査対象 東京都内の保育系大学2年生女子139名(平均年齢20歳1ヶ月)
調査時期および調査方法 2017年10月に質問紙調査を実施。授業時間内に調査用紙を配布・回収。実施時間は約15分。
調査内容
(1)特別な支援を必要とする人(子ども)との接触経験について:渡邊・青山・稲冨(2015)が使用した,障害児・者との接触経験についての接触時期ごとの質問の中から,同じ場所での活動や学びについての質問を選択し,5段階で回答を求めた。(例)小学校の頃,日常的に特別な支援を必要とする子どもと同じ教室で学んでいましたか。
(2)特別な支援を必要とする人(子ども)に対する多次元的態度尺度:楠・金森・今枝(2012)から23項目,オリジナル2項目の計25項目について,5段階での評定を求めた。(例)特別な支援を必要とする人にも気軽に声をかけられると思う。
結果と考察
小学校時期および中学校・高等学校時期の総合的な接触経験には,いくつかの態度への肯定的な影響がみられた(Table1参照)。また接触内容による影響の違いもみられた。これらの結果は,認識や態度の種類によって,より効果的な影響を与える接触内容が異なる可能性を示すと同時に,接触時期の違いによる影響の可能性についても示唆していると考えられる。さらに、小学校時期よりも中学校・高等学校時期の方が,より効果的に肯定的な影響を与える認識や態度があり,与えられた「知識」とそれに対する「認識」のために,そして「態度」の変容のためには,一定期間の教育が必要であるとも考えられる。