日本教育心理学会第61回総会

Presentation information

ポスター発表

[PC] ポスター発表 PC(01-66)

Sat. Sep 14, 2019 3:30 PM - 5:30 PM 3号館 1階 (カフェテリア)

在席責任時間
奇数番号15:30~16:30
偶数番号16:30~17:30

[PC10] 大学生の成長を捉えるためのルーブリックにおける新入生の1年後の縦断的変化

齋藤信 (鈴鹿大学)

Keywords:大学生、ルーブリック、縦断的変化

問題と目的
 四日市大学では,大学生の成長を捉えるための測度として,四日市大学成長スケール2016年度作成版(以下,四日市大学成長スケール)を実施している。四日市大学成長スケールは,ルーブリック評価の手法を基軸としている。前回のポスター発表(齋藤,2018;於第60回総会)では,新入生の半年後の縦断的変化を検証した。本発表では,ルーブリック評価により捉えられる大学生の成長について,新入生を対象とした1年後の縦断的変化から,検討することを目的とする。
方  法
1. 参加者と調査時点
 参加者は,四日市大学の2 学部(環境情報学部・総合政策学部)に所属する2017年4月入学の新入生で,対象者は153名であった。1回目の調査時点(学年)は2017年4月(0年生),2回目の調査時点は2018年3月(1年生)であった。
2. 測度 
 四日市大学成長スケール
①基本情報 ②9個の成長指標と各成長指標4段階(Step 1,Step 2,Step 3,Step 4)から成る成長指標ルーブリック
3. 調査手続き
①調査票回答 ②調査票に基づく教員との面談
結  果
1. 各段階の参加者数の変化
 各段階の参加者数の変化をTable 1に示した。第1回目の調査時点から第2回目の調査時点への変化で,Step 1, Step 2の参加者数の割合は減少していた。一方,Step 3,Step 4の参加者数の割合は増加していた。
2. 段階移行の分類別の参加者数
 段階移行の分類を,「上昇」「下降」「維持」の3種類に分類して,それぞれの参加者数を集計した(Table 2)。最も参加者数の多かった分類は,「維持」,次に多かった分類が「上昇」,最も少なかった分類が「下降」であった。
考  察
 四日市大学成長スケールに基づく,新入生を対象とした1年後の縦断的変化において,新入生の成長と考えられる結果が示されることが明らかになった。これらの結果は半年後の変化の結果(齋藤,2018)と一致した。今後は,他の学年を対象とした調査や,より長期間の縦断的調査の結果から,大学生の成長について検討する必要があると考えられる。