[PD47] 不登校児の適応指導教室への適応要因の検討
短期縦断調査の結果から
キーワード:不登校、適応指導教室
問題と目的
本研究では,原籍校を不登校となった適応指導教室利用児への短期縦断調査より,適応指導教室への適応感に影響する要因について検討した。
方 法
協力者
・2017年・・・19市町の適応指導教室に通う小学3年生~中学3年生150人(男子69人,女子76人,無回答5人)。
・2018年・・・22市町の適応指導教室に通う小学4年生~中学3年生78人(男子33人,女子45人)。
調査時期
・2017年・・・7月,11月の計2回。
・2018年・・・7月,11月の計2回。
調査内容
ストレスコーピング(鴛渕,2009)を4件法で,教室適応感,在籍級の教師との関係,適応指導教室の教師との関係,親子関係,適応指導教室の友人との関係を5件法で回答を求めた。
結 果
前期の個人要因(援助要請,思考の転換,回避,積極的対処)と,対人関係の要因(在籍級の教師との関係,適応指導教室の教師との関係,親子関係,適応指導教室の友人関係)を説明変数,後期の適応指導教室への適応感を目的変数として重回帰分析を行った。
2017年は思考の転換,回避,適応指導教室の教師との関係と適応指導教室への適応感との間に有意な係数が得られた。(思考の転換:β=0.36;回避:β=-0.16;適応指導教室の教師との関係:β=0.43)。つまり,思考の転換の高さや回避傾向が低いこと,また適応指導教室の教師との関係が良いことが後期の適応感を高めると考えられる。
2018年は援助要請および適応指導教室の教師との関係と適応指導教室への適応感との間に有意な係数が得られ,積極的対処と適応指導教室への適応感の間に有意な傾向が見られた(援助要請:β=0.28;積極的対処:β=0.20;適応指導教室の教師との関係:β=0.45)。つまり援助要請や積極的対処の高さ,および適応指導教室の教師との関係の良さが後期の適応感を高めると考えられる。
考 察
不登校からの回復には,心の居場所づくり,仲間づくりが鍵と考えられている。不登校児の居場所の一つである,適応指導教室への適応に関して,本研究では個人要因よりも,対人関係の要因,中でも適応指導教室の教師との関係が重要であると考えられた。適応指導教室でまず重視される必要があるのは適応指導教室教員による不登校児への「今ここで」の関わりであると言えるだろう。
本研究では,原籍校を不登校となった適応指導教室利用児への短期縦断調査より,適応指導教室への適応感に影響する要因について検討した。
方 法
協力者
・2017年・・・19市町の適応指導教室に通う小学3年生~中学3年生150人(男子69人,女子76人,無回答5人)。
・2018年・・・22市町の適応指導教室に通う小学4年生~中学3年生78人(男子33人,女子45人)。
調査時期
・2017年・・・7月,11月の計2回。
・2018年・・・7月,11月の計2回。
調査内容
ストレスコーピング(鴛渕,2009)を4件法で,教室適応感,在籍級の教師との関係,適応指導教室の教師との関係,親子関係,適応指導教室の友人との関係を5件法で回答を求めた。
結 果
前期の個人要因(援助要請,思考の転換,回避,積極的対処)と,対人関係の要因(在籍級の教師との関係,適応指導教室の教師との関係,親子関係,適応指導教室の友人関係)を説明変数,後期の適応指導教室への適応感を目的変数として重回帰分析を行った。
2017年は思考の転換,回避,適応指導教室の教師との関係と適応指導教室への適応感との間に有意な係数が得られた。(思考の転換:β=0.36;回避:β=-0.16;適応指導教室の教師との関係:β=0.43)。つまり,思考の転換の高さや回避傾向が低いこと,また適応指導教室の教師との関係が良いことが後期の適応感を高めると考えられる。
2018年は援助要請および適応指導教室の教師との関係と適応指導教室への適応感との間に有意な係数が得られ,積極的対処と適応指導教室への適応感の間に有意な傾向が見られた(援助要請:β=0.28;積極的対処:β=0.20;適応指導教室の教師との関係:β=0.45)。つまり援助要請や積極的対処の高さ,および適応指導教室の教師との関係の良さが後期の適応感を高めると考えられる。
考 察
不登校からの回復には,心の居場所づくり,仲間づくりが鍵と考えられている。不登校児の居場所の一つである,適応指導教室への適応に関して,本研究では個人要因よりも,対人関係の要因,中でも適応指導教室の教師との関係が重要であると考えられた。適応指導教室でまず重視される必要があるのは適応指導教室教員による不登校児への「今ここで」の関わりであると言えるだろう。