[PE02] 大学生のCyber Aggressionと心理的不適応の関連の検討(2)
能動的・反応的攻撃性および心理的ストレス反応との関連
Keywords:Cyber Aggression、能動的・反応的攻撃性、心理的ストレス反応
問題と目的
本研究では, 攻撃行動を生成する認知・情緒的特性の体系として概念化されている能動的・反応的攻撃性(濱口,2017)を取り上げ,大学生のCyber Aggressionとの関連を検討するとともに,Cyber Aggressionの実行が行為者自身の心理的ストレス反応にどのような影響を及ぼすかを検討する。
方 法
調査時期:2018年6月。
調査対象者:茨城県南部の国立大学生205名(文化・人間系30(男11女19), 理科系93(男75,女18), 体育系52(男31,女21, 芸術系・他30(男7女23))。(濱口・金子,(2019)と同一サンプル)
調査内容:Cyber Aggression Scale(CAS):濱口・金子(2019) により作成された2因子8項目(6件法)の自記式尺度。怒りの発信(5項目)と自己顕示(3項目)からなる。大学生用能動的・反応的攻撃性尺度(SPRAS-U)濱口(2017)の56項目から45項目を抜粋して使用。反応的攻撃性(易怒性(5),怒り持続(5),怒り強度(4),外責的認知(3),報復意図(6)),能動的攻撃性(攻撃有能感(5),他者支配欲求(5),欲求固執(5),攻撃肯定評価(7))。Public Health Research Foundationストレスチェックリスト・ショートフォーム 今津他(2006)。不安・不確実感(6), 疲労・身体反応(6), 自律神経症状(6), 抑うつ気分・不全感(6)を使用。敵意攻撃インベントリー 秦(1990)の言語的攻撃尺度を使用。被受容感・被拒絶感尺度 杉山・坂本(2006)の被受容感(8),被拒絶感(8)を使用した。
結果と考察
モデル検証:Figure 1に示す仮説モデルを構築した。1.能動的・反応的攻撃性が大学生の現実生活での言語的攻撃と関係性攻撃,そして,ネット上でのCyber Aggressionを引き起こす。2.現実生活での関係性攻撃と言語的攻撃,並びにCyber Aggressionの実行は,それ自体が多様な心理的ストレス反応を高めるとともに,周囲の人々からの受容を低め,拒否を高めることにより,間接的にストレス反応を増加させる。Amos7により共分散構造分析で検証したところ,仮説モデルは支持されなかった。有意でないパスを削除し,修正モデルを構築して再度共分散楮分析を行ったところ,Figure2に示す結果が得られた。反応的攻撃性は現実生活での言語的攻撃とともにネット上での怒りの表出を高めること,能動的攻撃性はネット上での自己顕示を促進すること,Cyber Aggressionは周囲の受容・拒否とは関連なく直接ストレス反応を高めることがわかった。
本研究では, 攻撃行動を生成する認知・情緒的特性の体系として概念化されている能動的・反応的攻撃性(濱口,2017)を取り上げ,大学生のCyber Aggressionとの関連を検討するとともに,Cyber Aggressionの実行が行為者自身の心理的ストレス反応にどのような影響を及ぼすかを検討する。
方 法
調査時期:2018年6月。
調査対象者:茨城県南部の国立大学生205名(文化・人間系30(男11女19), 理科系93(男75,女18), 体育系52(男31,女21, 芸術系・他30(男7女23))。(濱口・金子,(2019)と同一サンプル)
調査内容:Cyber Aggression Scale(CAS):濱口・金子(2019) により作成された2因子8項目(6件法)の自記式尺度。怒りの発信(5項目)と自己顕示(3項目)からなる。大学生用能動的・反応的攻撃性尺度(SPRAS-U)濱口(2017)の56項目から45項目を抜粋して使用。反応的攻撃性(易怒性(5),怒り持続(5),怒り強度(4),外責的認知(3),報復意図(6)),能動的攻撃性(攻撃有能感(5),他者支配欲求(5),欲求固執(5),攻撃肯定評価(7))。Public Health Research Foundationストレスチェックリスト・ショートフォーム 今津他(2006)。不安・不確実感(6), 疲労・身体反応(6), 自律神経症状(6), 抑うつ気分・不全感(6)を使用。敵意攻撃インベントリー 秦(1990)の言語的攻撃尺度を使用。被受容感・被拒絶感尺度 杉山・坂本(2006)の被受容感(8),被拒絶感(8)を使用した。
結果と考察
モデル検証:Figure 1に示す仮説モデルを構築した。1.能動的・反応的攻撃性が大学生の現実生活での言語的攻撃と関係性攻撃,そして,ネット上でのCyber Aggressionを引き起こす。2.現実生活での関係性攻撃と言語的攻撃,並びにCyber Aggressionの実行は,それ自体が多様な心理的ストレス反応を高めるとともに,周囲の人々からの受容を低め,拒否を高めることにより,間接的にストレス反応を増加させる。Amos7により共分散構造分析で検証したところ,仮説モデルは支持されなかった。有意でないパスを削除し,修正モデルを構築して再度共分散楮分析を行ったところ,Figure2に示す結果が得られた。反応的攻撃性は現実生活での言語的攻撃とともにネット上での怒りの表出を高めること,能動的攻撃性はネット上での自己顕示を促進すること,Cyber Aggressionは周囲の受容・拒否とは関連なく直接ストレス反応を高めることがわかった。