日本教育心理学会第61回総会

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ポスター発表

[PH] ポスター発表 PH(01-65)

Mon. Sep 16, 2019 1:00 PM - 3:00 PM 3号館 1階 (カフェテリア)

在席責任時間
奇数番号13:00~14:00
偶数番号14:00~15:00

[PH14] 看護学生に対するコーチングを活かした授業の効果(2)

学生の気づきの質的分析

鳥羽きよ子1, 西垣悦代2, 藤村あきほ3 (1.ハートランドしぎさん看護専門学校, 2.関西医科大学, 3.関西医科大学)

Keywords:コーチング、ピア・コーチング、KH coder

目  的
 筆者らは,看護学生を対象とした人間関係論の授業においてコーチングを活用した実践を行い,その効果の検証を行っている。受講生には,毎回ふり返りを文章化させて提出させおり,そこにはさまざまな気づきが含まれている。本研究の目的は,最終回の授業全体に対するふり返りの中から,コーチとして感じたことと,クライアントとして感じたことをそれぞれ,KHコーダーを用いて質的な分析を行い,気づきの構造を明らかにすることである。
方  法
 対象は人間関係論を受講している看護専門学校の1年生,38名。学生をランダムなペアに分け,全体でのワーク,グループワーク,ピア・コーチングをおこなった。各回の授業内容は以下の通りであった。①相手に安心感を与える笑顔,関わり方について②相手を一人の人間として尊重することを学ぶ③自分を知る④相手を認知承認することとその在り方⑤フィードバックを出すこと,受け取ること⑥コミュニケーションについて⑦自己開示レベルを知り,人間関係との関係を知る⑧感情のコントロールを学ぶ。
 授業の実施にあたり,以下のルールを設けた。①相手を批判,否定しないこと②相手が自分と向き合い,自分の気持ちを言葉にできるよう促し,相手を認め,承認すること③フィードバックを出し,共感と思いやりを示すことでその実践を促すよう関わること④それぞれが授業で自分の理想の看護師像を描き,宣言した目標に到達するために自己変革にむかうこと⑤毎週,自分の行動の振り返りと目標,行動の修正を行い,お互いに前進,成長できるように相互に見守ること。
 ここでは,最終回に全体をふり返りコーチとして,およびクライアントとして感じたことを記述した文章をKHコーダーで分析した結果を示す。
結  果
 クライアントとして感じたことについてクラスター分析を行った結果をFigure 1に示す。「嬉しい」「話す」「知れる」などの語が抽出された。相手との関わりから得られる気づきや学びが前向きな気持ちに繋がっていることが示唆された。コーチとして感じたことの分析からは,「嬉しい」「伝える」「学べる」などの語が抽出され、相手との関わりから刺激や学びが得られたことが示された。
考  察
 ピア・コーチングの経験を通して,学生たちが他者や自分自身と向き合い,気づきを得たり,喜びを感じていることがわかった。
付  記
 鳥羽きよ子・藤村あきほ・西垣悦代 (2018).コーチングを活用した授業実践の効果(1)日本教育心理学会第60回総会ポスター発表