[PH39] 大学生における性役割観尺度の再構成
Keywords:青年期、性役割
問題・目的
近年では,性役割的性格特性について変化しており,女性的・男性的とされていた特性がどちらのものでもなくなって来つつある(吉岡・桂田, 2017)と述べられており,個人や世代などによって,性役割を構成する内容や価値観は異なるのではと考えられる。しかし,性役割観に関する尺度の項目内容について,十分な検討をしている研究は少ない。本研究の目的は,性役割の変化が見られてきているなかで,既存の尺度では現代の性役割を検討するには限界があると考え,M-H-F scale(伊藤, 1978)を基にM-H-F scale Renewal (以下M-H-F scale R)を再構成することを目的とする。
方法
調査対象者 調査対象者は,都内大学生233名(男性115名,女性118名),平均年齢20.0(SD=1.1)歳であった。
調査時期 2018年12月に実施した。
質問紙構成 対象者の基礎情報,M-H-F scale RとM-H-F scale(伊藤, 1978)の項目に対して,男性/女性にとってどの程度重要だと思うかの回答を求めた。また,M-H-F scale Rの項目選定のため,予備調査としてM-H-F scale(伊藤, 1978)作成の手順を踏み質問紙調査を実施し,社会的評価の性格特性語(西岡, 2005)を用いてM-H-F scale Rの作成を行った。
項目を選定する際に,「男らしさ」「女らしさ」の平均値両方と全体の平均値が4.00未満のものは除外した。Humanityは「女らしさ」「男らしさ」の平均値両方が4.00以上のもの,Masculinityは「男らしさ」4.00以上,「女らしさ」4.00未満のもの,Femininityは「男らしさ」4.00未満,「女らしさ」4.00以上の項目を採用し,項目を減らしながら2回の調査を行った。その後確証的因子分析を行い,3因子構造が適合していることを確認した。
手続き 授業時に質問紙を配布し,その場で回収した。
結果・考察
確証的因子分析 M-H-F scale Rの確証的因子分析を行い,3つの下位尺度が同じ項目数になるよう負荷量の低いものから除外した(Table 1)。選定した各6項目(全18項目)の3因子構造の適合度は,GFI=.850,AGFI=.801,CFI=.883,RMSEA=.090であった。
相関係数 M-H-F scale(伊藤, 1978)を用いて相関係数を算出した結果,M-H-F scale Rとの有意な相関が認められた(Table 2)。
本研究の結果から,M-H-F scale Rの妥当性と信頼性が確認されたと考えられる。
近年では,性役割的性格特性について変化しており,女性的・男性的とされていた特性がどちらのものでもなくなって来つつある(吉岡・桂田, 2017)と述べられており,個人や世代などによって,性役割を構成する内容や価値観は異なるのではと考えられる。しかし,性役割観に関する尺度の項目内容について,十分な検討をしている研究は少ない。本研究の目的は,性役割の変化が見られてきているなかで,既存の尺度では現代の性役割を検討するには限界があると考え,M-H-F scale(伊藤, 1978)を基にM-H-F scale Renewal (以下M-H-F scale R)を再構成することを目的とする。
方法
調査対象者 調査対象者は,都内大学生233名(男性115名,女性118名),平均年齢20.0(SD=1.1)歳であった。
調査時期 2018年12月に実施した。
質問紙構成 対象者の基礎情報,M-H-F scale RとM-H-F scale(伊藤, 1978)の項目に対して,男性/女性にとってどの程度重要だと思うかの回答を求めた。また,M-H-F scale Rの項目選定のため,予備調査としてM-H-F scale(伊藤, 1978)作成の手順を踏み質問紙調査を実施し,社会的評価の性格特性語(西岡, 2005)を用いてM-H-F scale Rの作成を行った。
項目を選定する際に,「男らしさ」「女らしさ」の平均値両方と全体の平均値が4.00未満のものは除外した。Humanityは「女らしさ」「男らしさ」の平均値両方が4.00以上のもの,Masculinityは「男らしさ」4.00以上,「女らしさ」4.00未満のもの,Femininityは「男らしさ」4.00未満,「女らしさ」4.00以上の項目を採用し,項目を減らしながら2回の調査を行った。その後確証的因子分析を行い,3因子構造が適合していることを確認した。
手続き 授業時に質問紙を配布し,その場で回収した。
結果・考察
確証的因子分析 M-H-F scale Rの確証的因子分析を行い,3つの下位尺度が同じ項目数になるよう負荷量の低いものから除外した(Table 1)。選定した各6項目(全18項目)の3因子構造の適合度は,GFI=.850,AGFI=.801,CFI=.883,RMSEA=.090であった。
相関係数 M-H-F scale(伊藤, 1978)を用いて相関係数を算出した結果,M-H-F scale Rとの有意な相関が認められた(Table 2)。
本研究の結果から,M-H-F scale Rの妥当性と信頼性が確認されたと考えられる。