日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(発達)

[P] ポスター発表(発達): P001-P054

2020年9月19日~21日

[P011] 中学生の道徳性に関する発達的検討(2)

道徳アセスメント調査と関連要因の検討

桑原 千明1, 尾花 真梨子2, 古屋 真3 (1.文教大学, 2.江戸川大学, 3.駒沢女子短期大学)

Keywords:道徳、アセスメント、共感

道徳の特別教科化が始まり,日本の道徳教育は大きな転換点を迎えた。文部科学省(2015)の示す,発達段階に応じた課題を提供するためにも,子どもの状態をアセスメントするツールを作成することは喫緊の課題である。そこで本研究においては研究1で作成したツールと関連要因との関係を検討することとした。対象は公立中学校に通う1~3年生405名,担任教員16名であった。生徒対象の調査内容は,研究1で作成した道徳アセスメント調査,ソーシャル・スキル尺度(27項目4件法;河村,2001),子ども用認知共感性尺度(24項目5件法;村上・西村・櫻井,2014)であった。教員対象の調査内容はソーシャル・スキル尺度(同上)よりかかわりのスキル10項目であった。相関分析を行った結果,共感性との関連については,他者のネガティブな感情への同情,視点取得,他者のポジティブ感情への好感において比較的強い関連が認められた。一方,ソーシャル・スキルでは,行動や行動との自信度の関連,特に行動の自信との関連が多く確認された。道徳性と共感性,ソーシャル・スキルは関連があり,その関連の仕方が異なることが示された。