日本教育心理学会第62回総会

Presentation information

ポスター発表(発達)

[P] ポスター発表(発達): P001-P054

2020年9月19日~21日

[P013] 幼児期における計算時の手指の利用と巧緻性の関連についての基礎研究

喜多 真明1, 野中 陽一朗2 (1.四万十市立中村南小学校, 2.高知大学)

Keywords:手指の巧緻性、幼児期、計算能力

手指の巧緻性(以下:巧緻性)は,一般に手指の精巧で緻密な動きと解釈される。巧緻性に関する研究は様々行われ,年中児から年長児において,手指の巧緻性と計算能力が結びつくことが明らかにされている(浅川・杉村,2015)。また,幼児は遊びの中で指を利用して計算をすること(天岩,2015)や計算時に身体動作を行う児童は誤答が少なくなること(杉村・山名,2005)が明らかになっている。喜多・野中(2019)は,巧緻性の課題数を増やし幼児期の巧緻性と計算能力の関係を検討した結果,計算能力と巧緻性の一部である止め結びに関連があり,女児のほうが両者の関係が顕著にみられることを明らかにした。しかし,計算時の指利用と巧緻性及び計算能力の関係は検討されていない。本研究では,年少児を含め,巧緻性と計算能力の測定課題を多様化し,計算時の指利用と巧緻性,計算能力の関係に及ぼす影響を検討した。その結果,計算時の手指の利用は巧緻性と関連が無いことを示し,計算時の手指の利用は,計算時の誤答を減らすものだけだと明らかにした。