[P018] 小中一貫校・非一貫校における子どもの適応・発達(20)
援助行動に着目して
Keywords:小中一貫教育、援助行動、横断研究
施設一体型小中一貫校は非一貫校と異なり,基本的に小学校段階から中学校段階にかけて対人関係が継続することになる。そのため,中学校への移行に伴い対人関係に大きな変化が生じる非一貫校の児童・生徒とは他者に対する援助行動に違いが生じる可能性がある。そこで,本研究では2018年度から開始した縦断調査の初年度のデータにもとづき,援助行動に関して小中一貫校(施設一体型)と非一貫校を比較することを目的とした。援助行動は片受・大貫(2014)の大学生用ソーシャル・サポート尺度を参考に,「評価的サポート」「情報・道具的サポート」「情緒・所属的サポート」を測定するための項目を独自に作成した。児童生徒5147名のデータに基づき,学校形態(2)×学年(6)の2要因の分散分析をおこなった。その結果,4年生の段階では援助行動は一貫校の方が高いか差がなかったが,それ以降の学年では全体的に非一貫校の方が得点は高いことが明らかになった。