日本教育心理学会第62回総会

Presentation information

ポスター発表(発達)

[P] ポスター発表(発達): P001-P054

2020年9月19日~21日

[P025] 幼児の情動調整スキルの測定

養育者評定による尺度の信頼性・妥当性の検討

鈴木 亜由美 (広島修道大学)

Keywords:情動調整、幼児、養育者評定

養育者評定による子どもの情動調整の尺度として,Emotion Regulation Checklist(ERC)が広く用いられているが,これは調整スキル自体ではなく調整の結果を測っているという指摘がある。そこで,Mirabile(2008)は情動調整方略に関する一連の研究(Gross, 2002など)にもとづき,悲しみ,怒りなどの特定の情動生起場面を想定して,12種類の調整方略の使用頻度を測定する尺度を作成した。本研究では日本の幼児を対象に,この2つの尺度の信頼性・妥当性を検討した。結果より,ERCでは年齢上昇に伴う変化や社会性発達に関する既存の尺度との関連が見られ,一定の妥当性が示された。一方,ERSQでは年齢変化が見られず,「適応的」とされる調整方略の使用頻度が問題行動と正の相関を示すなど,項目内容の再検討を必要とする結果となった。