[P029] 教師評定による児童の社会的スキル発達段階表の作成
学校の教育活動を見直すための基礎資料として
キーワード：人間関係形成、社会的スキル、発達段階
多くの学校では，児童のよりよい人間関係を形成する力を育成するために，様々な活動を行っているが，実際に児童にどのような能力がついたかといった観点からの検証がされていない。また，発達段階ごとのスキルのレベルが把握されていない実態がある。本研究の目的は，小学校の学級担任を対象に，教師評定による児童の社会的スキル測定尺度を用いた調査を実施し，調査結果から，児童のスキルの実態に合わせて学習活動を見直し実践に生かす目的で，基礎データとなる発達段階表を作成することであった。公立小学校6校に在籍する教師48名に対して，担任学級の児童1年生から6年生までの1,229名を対象として行動評定を行った。社会的スキルを2学年ごとに低・中・高学年で比較する分散分析の結果，全体として学年が上がるにつれて得点が高く，引っ込み思案行動や攻撃行動といった問題行動の得点は中学年が高くなるという結果が得られた。