日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(発達)

[P] ポスター発表(発達): P001-P054

2020年9月19日~21日

[P046] 自分づくりをもって若者が“心の闇の原型”を乗り越えることの意義

シュプランガーの了解に則り,ある女子の場合をとりあげて探求

宮野 祥雄

Keywords:“心の闇の原型”の乗り越え、“自分づくり”の意義、シュプランガーの了解

レジリエンスについての研究は行われてきているが,“自分づくり”をもって若者が“心の闇の原型”を乗り越えることの意義に焦点を絞り,シュプランガーの了解に則って行った研究は皆無である。前述した焦点,了解のもとに,若者の事例としてある女子(平成元年生まれ)をとりあげ,自分づくりをもって心の闇の原型を乗り越えることの意義の探求に令和元年10月20日に着手。本発表について本女子及びその家族の承認を得た。本女子が自らの中学校期・高校期などを振り返り,記述した本了解の根幹にあたる事柄と,本女子の成長過程についての私の知見をもとに本女子の中学校期,志望大学の不合格,恋愛の破局における心の闇の原型と,本女子の自分づくりによるこれらの乗り越え及び,これらの乗り越えの意義を理解,把握した。以上の事柄から,本女子が自分づくりをもって重ねてきた,心の闇の原型の乗り越えが本女子の人格に統合され,現在も生きている,と言えようと考察した。