日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(発達)

[P] ポスター発表(発達): P001-P054

2020年9月19日~21日

[P052] 中学生を対象としたネガティブ感情への対処スキルの獲得を目的とした研究(2)

SSTの手法を参考にした介入の実施と効果

和気 淑江1, 藤枝 静暁2, 藤原 健志3 (1.春日部市教育相談センター, 2.埼玉学園大学, 3.新潟県立大学)

Keywords:中学生、ソーシャルスキル、介入効果

文部科学省の調査(2019)では,小6から中2にかけて不登校や暴力等の問題行動が急増する傾向を示している。ネガティブな出来事や感情に対し,自分なりの対処法をもつことは,感情のコントロールができ,生活満足感につながると考えられる。本研究では,ソーシャルスキルトレーニング(SST)の手法を参考に,介入前の調査で回答が得られたネガティブ感情への対処スキルを中学生へ教示した。介入後,ネガティブ感情を解決できた生徒と解決できなかった生徒を対象に,①生活満足感,②三浦ら(1997)の「積極的対処」「サポート希求」「認知的対処」を「コーピングへの取り組み」として,介入前後の変容を比較し,介入の効果を検討した。その結果,ネガティブ感情を解決できた生徒における「学習」「部活動」の満足感が高まった。解決できなかった生徒は,解決できた生徒より,教示した対処スキルをより多く試し,ネガティブ感情の解決につながったことが示唆された。