[P056] 社会的事象の概念的理解を深めるための発問とその効果
共通性の探究を通して
Keywords:社会科、共通点探究、概念的理解
本研究は,社会的事象の概念的理解を深めるにあたり,事象の共通性を捉えさせるための発問とその効果を検証することを目的とした。中学3年生(N=62)を対象とし個別インタビュー調査を行った。実験参加者は介入課題において,過疎過密の問題を抱える自治体が行っている取組について,目的の共通点に焦点化して考える目的群と,取組の内容を既有知識を基に様々な角度から自由に考えたうえで目的を考える内容群に割り当てられた。実験の前後に行った評価課題は,介入課題とは自治体を変えたうえで,自治体の目的として地域社会の維持・発展ということが捉えられているかを問う課題であった。Bhapkar検定を用いた分析の結果,目的群では事前から事後への人数分布の変化に有意差がみられた一方,内容群ではみられなかった。また,事前から事後にかけて水準が向上した人数と低下した人数に対して,二項検定で検討したところ,同様の結果が得られた。