日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P058] 高校数学において「主体的に学習に取り組む態度」をいかにして育成し,評価するか

ノート等への書き込みから見える学習方略利用に着目して

秋澤 武志1, 植阪 友理2 (1.神奈川県立鶴嶺高等学校, 2.東京大学)

Keywords:主体的、ノート、数学

新学習指導要領の実施に伴い,授業を通して「主体的に学習に取り組む態度」を評価する必要が生じている。学習方略や自己調整学習方略の視点から考えると,授業中のノート等にも,学びに向かう態度は現れると考えられる。本研究では,数学の問題を解く際に途中式の「根拠」に注目させる聞き方や間違えた場合は「次に同じ間違いをしないためのアドバイス(教訓)」および「問題を解くポイント」を書き残させるノート等の取り方を指導し,自分が記述したことをペアで共有する活動をすることを通じて,学びに向かう態度を育成・評価することを試みた。その結果,問題を解く生徒のノート等への記述から授業内容を深く理解しようとしている様子が見て取れた。また,自分の理解度や到達度を客観的に捉える活動が増加するようになった。そして,ノート等への書き込みやアンケートから主体的に学ぶ態度が向上し,生徒自身も効果を実感している様子が認められた。