日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P061] 文章題解決で「図表を使わない」のではなく「使えない」ことを示す科学的証拠

綾部 宏明1, マナロ エマニュエル2 (1.生理学研究所, 2.京都大学)

Keywords:図表スキル、文章題、fNIRS

文章題を解くときに教師が図表を使って教えても生徒は自発的に使わない傾向がある。近年,活用トレーニング(図表知識指導+練習)が自発的な使用を促し正答率も高めることが実証された。しかし,スキル習得に必要な教授要素は明らかではなく,神経科学的な対応も示されていない。本研究では参加者16名(15.7 ± 2.9才)に対して,プレ1(教示なし),プレ2(表活用教示),表活用トレーニング〔指導+練習〕,ポスト(教示なし)を参加者内計画で操作してテストした。問題は表が効果的だと想定された文章題であった。実施後,使われた図表と解答完成度を評定し,脳血流量を分析した。その結果,トレーニング後のみで正答率が改善し,表の完成度も高まった。また,左前頭領域において脳血流量が増加した。本研究は,図表を使うように促すだけでは不十分で,適切なトレーニングが必要であることを示唆する。