[P066] 探究的な学習は内発的動機づけを高めるのだろうか?
キーワード:探究的な学習、学習動機、内発的動機づけ
本研究では,探究活動が自己決定理論に基づく動機づけに与える影響を検討した。県立高等学校2年生を対象に,探究活動を実施したクラスを介入群,おこなわなかったクラスを対照群とした。本校における探究活動とは,実験・調査の実施,データの分析,校内向けの論文執筆,そして活動発表会であった。探究活動がすべて終了した後に,自律的学習動機づけ尺度の質問紙を実施し,その尺度の各因子得点を比較した。その結果,最も内発的動機づけの程度が高いとされる内的調整において,介入群のほうが対照群よりも有意に評定値が高かった。加えて,探究活動に対する自己評価がこの効果を媒介しているかどうかを確認するために回帰分析をおこなったところ,「内的調整」において完全媒介が認められた。この結果は,探究活動をおこなった介入群のほうが対照群よりも探究活動が役立つものであると認識し,その結果として内発的動機づけを高めていることを示唆している。