日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P078] 中高6学年の語彙学習方略に関する横断的検討

方略使用パターンと個人差要因に着目して

内田 奈緒 (東京大学大学院)

Keywords:学習方略、英語、語彙学習

外国語の語彙知識を習得する上で,学習者は語彙学習方略を学習段階に合わせて変化させながら活用する必要があると考えられる。本研究は,中学1年〜高校3年生を対象に横断的調査を行って語彙学習方略の使用パターンを類別し,実態を把握するとともにそれらの特徴を学習観・動機づけ・語彙サイズから検討した。クラスタ分析の結果,方略使用パターンは5群に類別された。反復方略を偏って使用する群と処理の深い方略を多く使用する群という対照的な2群に着目すると,前者は語彙サイズが小さい一方,後者は特に高学年において前者より大きい語彙サイズを示した。また,後者の群の方が単語の表す意味を理解する志向性や知識の活用を見据えた動機づけが高かった。しかし実態としてはそのような学習者は特に中2以降少なく,介入の必要性が示唆された。