日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P085] 高校数学科における長期的な理解保持へ貢献する対話の特徴の考察

複素数平面における問題解決において

大村 勝久1, 遠山 紗矢香2 (1.静岡県立浜松北高等学校, 2.静岡大学)

Keywords:主体的対話的で深い学び、遅延調査、複素数平面

本研究では多くの生徒が困難を示す複素数平面の証明問題を3人で解く場面の観察及び遅延調査により,生徒が長期に亘って学習内容を保持できる学習活動の設計方法について探ろうとした。県立高等学校普通科第2学年理系コース37名の出席者のうち,1グループ3名に焦点化して,複素数平面の問題を解く協調学習1時間の授業での発話と記述,授業から約1ヶ月経過後および3ヶ月経過後の遅延テスト・インタビュー結果を分析した。その結果,授業直後のテストでは全員が正解したが,遅延テストでは正解に至らない生徒が1名みられた。一方で,正解に至らなかった生徒は授業中に質問を行うことで問題解決に貢献していたことも示された。問題解決中の質疑応答は,式が持つ図形的な意味の理解,複数の数学的表現の中から適切な1つを選択すること,学習者が先行学習であまり触れたことのない考え方の3点に集中する傾向が見られた。