日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P090] 対話をうながす学習環境デザイン(2)

教員のリスクに着目した性教育デザインの検討

宮川 亜実1, 有元 典文2, 郡司 菜津美3 (1.横浜国立大学大学院, 2.横浜国立大学, 3.国士舘大学)

Keywords:性教育、対話、学習環境デザイン

性教育は,自他の性を理解し自己決定ができる力を育むために行われる(文部科学省,1996)ものであり,現実の他者理解は主に「対話」のやり取りによって行われる。本研究の目的は,「対話」に基づく性教育における教員のリスクを明らかにし,学習環境デザインを検討するための基礎研究とすることである。2020年1月下旬から2月上旬にかけて首都圏公立中学校教員15名(有効回答者)に自記式の質問紙調査を行った。調査の内容は,性教育に対する意識3項目と,「対話」に対する意識2項目の回答を求めた。その結果,性教育のイメージと対話の抵抗感において「恥ずかしい」という回答があったことから,教員においても性は自己関与性が高いものであることが推測された。しかし,5割が性教育の適任者に医療従事者や保護者を選択していることから,多様な参加者の共同的な学習環境の創造が教員のリスクを下げることが考えられた。今後は,「学習環境」のリスクとして性教育デザインを検討してく必要がある。