[P102] 小学生の学習場面における完全主義と目標志向性との関係
キーワード：完全主義、目標志向性
過度に完全性を求めることは完全主義といわれ，学習者の意欲や行動に影響する。完全主義には，高い目標を課する傾向（高目標設置）と失敗を過度に気にする傾向（失敗過敏）の2側面あり，両側面から目標志向性との関係をみることで完全主義と学習行動との関連を検討できるであろう。本研究では，学校教育が始まる児童期に着目して完全主義と目標志向性との関係性を検討するため，小学4～6年生を対象に質問紙調査を行った。その結果，高目標設置はマスタリー目標，遂行接近目標，遂行回避目標に正の影響を示し，児童期の完璧という基準はマスタリー目標に近い自己内の基準だけでなく，遂行目標のような他者の評価を気にした外的な基準にも基づくことが示唆された。また，失敗過敏は遂行接近目標および遂行回避目標に正の影響を示し，学習場面での失敗に過敏になる場面では他者からの評価を気にし，他者からみて完璧でないことを恐れることが示唆された。