日本教育心理学会第62回総会

講演情報

ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P107] 先延ばし後の時間経過に伴う意識の変化

桑原 るり, 森田 愛子 (広島大学)

キーワード:先延ばし、否定的感情、先延ばし後

しなければならないことを後回しにすることは先延ばしと呼ばれる。小浜・松井(2007)は,先延ばしを先延ばし前・中・後の3時点から構成されるプロセスと捉え,意識の変化について検討している。しかし,先延ばし過程は3時点には収まらず,より複雑な意識変化を伴う可能性がある。特に,「先延ばし後」と,さらにその後の「課題を完了した後(小浜, 2018)」は現在区別されていないが,否定的感情の強さが異なる可能性がある。本研究では,先延ばし後の意識の変化に着目し,測定時点による否定的感情の強さの違いを検討した。調査は,定期試験を受けた大学生24名に対して4回行った。その結果,先延ばし後より課題完了後の方が否定的感情が高く,先延ばし後と課題完了後に抱く否定的感情の強さは異なることが示唆された。また,課題完了後の時間経過に伴い,否定的感情の強さが低下することが示唆された。