日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P110] 2種類の教訓の抽出を促す学習講座の実践

学習内容と問題解決方略の記述に関して

小角 真歩1, 深谷 達史2 (1.広島大学大学院, 2.広島大学)

Keywords:ふり返り、教訓帰納

教訓帰納とは,問題解決や学習内容に関して,または問題を間違えた場合の間違えた理由に関しての教訓を引き出す方略である(市川,1993)。教訓には,「学習内容」や「問題解決方略」に関する2つの教訓がある。本研究では,学習者が2種類の教訓を引き出せるための学習講座を実施し,ふり返りに対する意識調査と教訓の質の評価を行った。講座では,教訓抽出の際に2種類の教訓を区別して抽出することに加え,学習の際に公式の成り立つ理由や,問題内容を整理する方法を考えることが重要であることを教授した。意識調査に関しては,介入の前後の質問紙調査で得られた得点をもとにt検定を行った結果,それぞれの項目で,意識の向上が有意,または有意傾向となった。一方で,教訓の記述面に関しては,2種類の記述をルーブリックでA~Cに評価し,記述数を算出した。介入の前後で記述の比率の違いを調べた結果,どちらの種類の教訓も記述数に有意差は見られなかった。