日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P113] 学業的援助要請における学業的・社会的有能感と教師の働きかけの交互作用効果

後藤 綾文1, 赤松 大輔2 (1.岐阜聖徳学園大学, 2.名古屋大学大学院)

Keywords:援助要請、教師の働きかけ、有能感

学業場面において課題解決のために援助を求めることは学業的援助要請と言われ,自己調整学習の一つとして扱われている。学業的援助要請には自律的援助要請と依存的援助要請があり,それぞれ学業的有能感や社会的有能感との関連がこれまで指摘されてきた。しかし,異なる領域の有能感が個人内でどのように援助要請に関連するのかはこれまでほとんど検討されていない。本研究では,学業的有能感と社会的有能感の相互の関連をふまえたうえで援助要請に及ぼす影響を検討する。さらに,授業などで教師が生徒たちに援助要請を行うように促すことがその影響を調整する可能性も検討する。自律的援助要請を基準変数とした階層的重回帰分析の結果,自律的な援助要請には学業的有能感だけでなく社会的有能感も同時に高いことが必要であることが示された。さらに,特に学業的有能感の低い生徒,社会的有能感の低い男子生徒への支援として,教師が生徒同士の援助要請を促すことが有効であることが示唆された。