[P114] 興味関心の低い事柄の記憶活動は睡眠によって抑制されるかもしれない
無意味語および使用頻度の低い英単語を用いた睡眠時間の2群比較検討
Keywords:興味関心の度合い、睡眠時間
本研究では大学生16名を対象に,「対象者にとって必要性の低い情報の記憶保持量」と睡眠時間の関連について検討した。具体的には,①アルファベットの羅列(無意味語-より必要性の低い)と,②未知の英単語(通常使用することのない-必要性の低い)の2種類の情報を用いて検討を試みた。睡眠時間については,睡眠時間3-7時間・0時間の2群を設定した。2つの記憶課題を用いた比較実験の結果,まず無意味語(アルファベットの羅列)情報の記憶保持量は,睡眠時間を取るほど低下する傾向にあることが確認された。また,ほぼ聞いたことのない(未知の)英単語情報の記憶保持量についても,睡眠3-7時間群の方が睡眠時間0時間より少なくなることが確認された。先行研究の多くは,記憶パフォーマンスと睡眠時間のポジティブな関連を報告しているが,対象者にとって必要性の低い情報に限っては,睡眠のプロセスによって削除される可能性があることが示唆された。