日本教育心理学会第62回総会

講演情報

ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P131] 小学生の説明的文章の理解レベルを深める読み指導の実践

「ありの行列」の対話的読み授業の分析

住田 裕子1, 森 敏昭2 (1.広島大学大学院, 2.広島大学)

キーワード:説明的文章、文章理解レベル、対話的読み

本研究は,小学校における説明的文章をより深く理解する効果的な読み指導を研究したものである。研究1では,小学3年生の教科書掲載の説明文「ありの行列」の読解テストを作成し,3~6年生の児童の文章理解レベルを測定・分析した。その結果,読解レベルに学年差がないことが示唆された。そこで,研究2では,研究1の分析・検討に基づいて授業改善の方途を見出すことを目的として「ありの行列」の授業実践を行った。そして,推論を導く思考プロセスを対話的に言語化,視覚化する指導方法の有効性を調査した結果,児童は多くの状況モデル発話を行い,文章を深く理解する傾向にあった。これらの結果から,従来の教師中心の読みの授業よりも,学習者中心の協同的学習が説明的文章の深い理解を促進する効果的な読みの指導方法であることが示された。