日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P135] マルチレベル分析によるアクティブ・ラーニング型授業の効果測定(8)

グループ目標が協同作業認識に及ぼす影響

杉本 英晴1, 佐藤 友美2, 高比良 美詠子3 (1.駿河台大学, 2.九州工業大学, 3.立正大学)

Keywords:アクティブ・ラーニング、協同作業認識、マルチレべル分析

本研究の目的は,所属グループでの活動目標に対する認識が協同作業認識に及ぼす影響について,個人レベルと集団レベルの効果を分離できるマルチレベル構造方程式モデリングによって検討することであった。大学生199名を対象に質問紙調査を行なった結果,集団レベルのメンテナンス目標から集団レベルの協同効用への有意な正の効果が得られた。また,変量効果についても,個人レベルの協同効用のパスに集団レベルのパフォーマンス目標から有意傾向の負の効果が,集団レベルのメンテナンス目標から有意の正の効果が得られた。すなわち,グループワークの授業を通して,事前に仲間とともに作業することの有効性を認識している人ほど,事後もその有効性を高く認識するという効果がみられるが,パフォーマンス目標が共有されているグループほど弱まり,メンテナンス目標が共有されているグループほど強まることが示された。