日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P136] マルチレベル分析によるアクティブ・ラーニング型授業の効果測定(9)

グループ目標が大学環境に対する適応感に及ぼす影響

佐藤 友美1, 高比良 美詠子2, 杉本 英晴3 (1.九州工業大学, 2.立正大学, 3.駿河台大学)

Keywords:アクティブ・ラーニング、大学適応感、マルチレベル分析

グループワークの効果,すなわち汎用的技能・態度,そして知識の定着・活用の促進については,実証的な検討は少ない。佐藤他(2016)は,大学でのグループワーク中の発言活動は個人志向の適応を促進し,他者志向の適応を阻害することが明らかになった。本研究では,発言活動や協同活動といった授業内に実際に生じたグループワークの活動内容に加え,当該のグループ活動に対する個人の認識として,所属グループにおける目標が大学適応感に及ぼす影響を,マルチレベル構造方程式モデリングによって検討した。その結果,パフォーマンス目標を強く意識していた個人ほど,事後の課題・目的の存在が高い傾向があった。一方,メンテナンス目標を強く意識していた個人ほど,事後の居心地の良さが高かった。これらのことから,個人のグループ活動における目標の持ち方によって,大学への適応感に及ぼす影響が異なることが示された。