日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P144] 心理系科目におけるアクティブ・ラーニング(AL)の実践

異文化トレーニング手法を用いた試み

中川 典子 (流通科学大学)

Keywords:アクティブ・ラーニング(AL)、カルチュラル・アシミレーター(CA)、ジェネリックスキル(汎用的技能)

本発表の目的は,筆者がアクティブ・ラーニングの一環として心理系担当科目で行った異文化トレーニングの手法を用いた授業実践と,その教育的効果について報告することである。調査対象はA大学外国語学部の学生111名である。受講生らはコースの期間中,隔週で授業初めの40分程度を使って当日までに課題として配布されていたカルチュラル・アシミレータ(CA)に関するグループディスカッションに参加した。また,受講生らは定期レポート試験として各々の専攻語文化圏に関する対人コミュニケーション上の問題を扱った独自のCAを作成する課題に取り組んだ。上記の実践は,80年代後半に米国でまとめられた「優れた授業実践のための7つの原理」に基づいていた。授業に対する受講生のフィードバックを分析した結果,コミュニケーション能力の育成に必須の自己理解および他者理解を深め,世の中のあらゆる多様性に対する寛容性を醸成するという授業目標を受講生たちが少なからず達成したことが示唆された。