日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P148] 大学生は複数のテキストをどのように活用するのか

作文タスクにおける情報統合に焦点を当てて

西 菜穂子, 李 榮, 山方 純子 (神田外語大学)

Keywords:複数テキストの活用、産出文章の構造、情報統合

本研究では,日本国内の大学生・大学院生16名(日本語母語話者)を対象とし,複数テキストの理解とその活用について調査した。学問的知識の獲得に必要とされる複数テキストの理解と活用には,困難を覚える学生も多いことが研究の背景にある。本発表では,産出文章の情報の統合と活用のタイプが異なる3名の分析を中心に報告する。参加者は2つのテキストを読み,それが回収された後,読解をもとにした作文,理解テストを行った。両テキストのトピックは「霊長類の利他行動」である。産出文章の構造分析から,Britt et al.(1999)が提案した複数テキスト読解時の表象モデルのうち,熟達者のもつ心的表象を表わすドキュメントモデルに相当する特徴を示した学生,個別表象モデルの特徴を示した学生,特徴の曖昧な学生の詳細を示し,テキストの情報統合に焦点を当て,複数テキスト活用の実態を述べる。