日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P158] 協同場面における数学の図形課題の解決につながる知識の統合を妨げる要因

平見 真希人, 藤木 大介 (広島大学)

Keywords:協同学習、知識統合、数学的課題解決

本研究では,大学生を対象に橘・藤村(2010)の追試を行い,協同場面における知識統合(複数の知識を関連づけて体系的に説明できるようになること)を妨げる要因を検討した。実験は,数学的課題を用いて事前課題-協同課題-事後課題のデザインで実施した。まず,橘・藤村(2010)と同様の分析を行ったところ,図形の分け方に関する要素を複数関連づけた説明を行うことが知識統合を促すという結果を再現できた。これに基づき,知識統合を妨げる要因を検討した。その結果,知識統合に至らないペアは,協同場面において着目する観点が少なく,思考の妨げとなるような消極的な発言が多いことが明らかとなった。これらの結果から,知識統合に至らないペアは議論を限られた範囲に留めてしまい,適切な知識を関連づけるまでに至らないというプロセスが示された。また,消極的な発言が協同で課題を追究しようという意欲を低下させ,活発な相互のやり取りの妨げとなることが示唆された。