[P163] 対話が生まれる教員研修のデザイン
個別指導塾における教員研修の歴史と効果の検討
キーワード:教員研修、個別指導塾、学習環境デザイン
本研究では,個別指導塾の教員研修の変遷を①学習環境デザインと②研修の効果の観点から検討した。当該塾の社会人教員2名へアクティヴ・インタビュー(ジェイムズ・ジェイバー,2004)を実施し,作成した逐語録をSCAT(大谷,2008;2011)にて分析した結果,教員研修の内容変更の前後に関するストーリーラインが得られた。変更前後で研修が塾内で担う役割が変化したことを示す記述が見られ,即興的な対話へのリスクは学習環境デザインと不可分である可能性が示唆された。変更後の研修について,対話へのリスクの低さと,一定程度の緊張感を求める記述が見られ,対話へのリスクが低い場のデザインには,適切な緊張感の設定も同時に求められることが推察される。研修内容の変更前後で,教員同士の業務上適切な関わりが日常的に増加したことを示す記述が見られ,現行の教員研修のデザインは,業務上求められる日常的な教員同士の関わりを促す効果があることが推察される。