日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P165] 視点取得への介入教示がアドバイス産出に与える影響

真下 知子1, 三宮 真智子2 (1.京都文教短期大学, 2.大阪大学)

Keywords:コミュニケーション、アドバイス、視点取得

アドバイス表現の改善に向けた教育的介入への手がかりを得ることを目的として,視点取得への介入教示がアドバイス産出に及ぼす影響を検討した。「相手視点群」「自己視点群」および「統制群」を設け,他者に対するアドバイスの言葉かけを「指示」「提案」「ヒント」「欠点の指摘」の4つの選択肢から選んで回答するよう求めた。群間で選択されたアドバイス表現に差があるかをχ2検定によって検討した結果,相手視点群と統制群の間で「ヒント」の発話,および間接的な表現の使用に差が認められ,統制群では「ヒント」および間接的な表現の使用が有意に多かった。真下・三宮(2019)において,「ヒント」の表現が行動改善意欲の喚起には最も効果が低かったこと,先行研究より,間接的要求の使用には利己的な目標があると考えられることをふまえると,相手視点群では,利己的な目標よりも受け手の利益を考え,とるべき行動を明確に伝えようとする直接的な表現の使用が多くなったと推測できる。