日本教育心理学会第62回総会

Presentation information

ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P170] 社会情動的スキルや21世紀型スキルを育成するカリキュラムの開発と実践

実践効果の学級間比較に基づくカリキュラムの改訂

松永 健一郎1, 吉澤 寛之2 (1.大垣市立上石津中学校, 2.岐阜大学)

Keywords:社会情動的スキル、21世紀型スキル、学校カリキュラム

AIの台頭により,生活や教育の在り方が一変することが予想される21世紀においては,社会情動的スキル(非認知スキル)や21世紀型スキルの向上が,認知スキルよりも社会的成功に結びつきやすいとされる。そのため,社会情動的スキルを伸ばすための実践は多く見受けられる。しかし,学校カリキュラムとして位置付いている先行研究は少ない。松永・吉澤 (2020)は,社会情動的スキルと21世紀型スキルの高さが認められたモデル小学校の分析により,これらのスキルの伸長に有効なカリキュラム見いだしている。本研究では,これらのスキルがより後年の発達段階で伸長するとする知見を踏まえ,このカリキュラムを中学校の138名の生徒を対象に実践した。2019年4月から11月の各スキルの変化をクラス間で比較した結果,2学級において,それぞれ「他者理解スキル」と「集団場面で自分をおさえるスキル」が有意に上昇した。本結果を踏まえ,学級担任を対象とした半構造化面接を実施した結果,本カリキュラムを,リーダーを中心とした学級経営,及び,リーダー指導を核にしたカリキュラムに改善することが有効であることが確認された。