[P175] 成人の誤信念理解における作業記憶と類推（1）
真実の表象と誤信念内容の対比における作業記憶
Keywords:誤信念理解、作業記憶と類推
本報告は，成人に画面で読み聞かせた絵本の理解に対する誤信念理解と類推及び作業記憶の寄与を指摘する。その基本的課題は，誤信念理解における真実の表象と誤信念内容の対比と選択的抑制過程での作業記憶の寄与の指摘である。誤信念理解課題として，サリーとアン課題での2肢選択課題及び視空間的理解を求めた4肢選択課題を併用して，各々が絵本の理解に寄与する過程を対比する。絵本の内容理解における上記の誤信念理解成績以外の下位技能として，絵本内容の推理・逐語再認，統語理解，反応抑制，図形の類推及び閲読内容と無関係の文に描かれたエピソードの順序想起（作業記憶）の成績を求めた。この技能のクラスタ分析結果から（1）上記の作業記憶，（2）4肢選択の誤信念課題及び（3）2肢選択の誤信念課題を含めて上記以外の下位技能全ての3クラスタを指摘し，空間表象の操作に関連した4肢選択の誤信念課題達成能力の寄与の独自性を述べた。