日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(社会)

[P] ポスター発表(社会): P189-P226

2020年9月19日~21日

[P195] 中学生における社会的達成目標が学校適応を予測する過程の検討

欲求支援行動の提供に着目して

海沼 亮1, 外山 美樹2 (1.筑波大学大学院・日本学術振興会, 2.筑波大学)

Keywords:社会的達成目標、欲求支援行動、学校適応

本研究の目的は,中学生における社会的達成目標が欲求支援行動の提供を介し,学校適応を予測する過程について検討することであった。中学生309名を対象に調査を実施した。分析の結果,友人関係の形成や発展を志向する社会的熟達接近目標は,友人に対する自律性支援行動や関係性支援行動の提供を介し,学校適応を高めていた。さらに,関係性阻害行動の提供を低減させることで,学校適応を高める働きもみられた。また,既存の友人関係の維持を志向する社会的熟達回避目標は,自律性支援行動の提供を介し,学校適応を高める働きがみられたものの,その効果は,小さいものであった。最後に,周囲からのポジティブな評価の獲得を志向する社会的遂行接近目標は,自律性阻害行動の提供を介し,学校適応を高める働きと関係性阻害行動の提供を介し,学校適応を低減する働きの双方が確認された。