日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(臨床)

[P] ポスター発表(臨床): P234-P248

2020年9月19日~21日

[P237] 親の認知行動的特徴が子どもの社会的行動に及ぼす影響の発達的変化

加藤 海咲1, 野中 俊介2, 輕部 雄輝3, 嶋田 洋徳4 (1.早稲田大学大学院, 2.東京未来大学, 3.国際医療福祉大学, 4.早稲田大学)

Keywords:養育行動、社会的行動、発達的変化

従来,親の養育スキルと子どもの行動との関連が報告されてきた。しかしながら,親の養育行動が子どもに及ぼす影響は,子どもの発達にともなって変化することが考えられる。そこで本研究においては,親の認知行動的特徴が子どもの社会的行動に及ぼす影響の発達的変化について検討した。その結果,幼児において親のストレス反応が子どもの孤立行動に有意な正の影響を示し,小学生においては,親の養育行動のレパートリーが子どもの攻撃行動の程度に有意な正の影響を示した。このことから,幼児においては,親のストレスによって子どもの家庭外での活動が減少し,周囲の幼児などとの関わりが減少してしまい,結果的に孤立行動が増加していることが考えられる。一方で小学生においては,親のストレス状態と関係なく,他児童との関わりを持つことができると考えられる。したがって,育児支援においては,親のストレス状態だけでなく,子どもの発達段階ごとの環境要因についても考慮する必要があると考えられる。