日本教育心理学会第62回総会

講演情報

ポスター発表(臨床)

[P] ポスター発表(臨床): P234-P248

2020年9月19日~21日

[P239] 小学校教師におけるスクールカウンセラーへの援助要請行動の特性について

計画的行動理論の観点から

出口 奈実1, 佐田久 真貴2 (1.箕面市教育委員会, 2.兵庫教育大学大学院)

キーワード:小学校教師、スクールカウンセラー、計画的行動理論

本研究では,小学校教師を対象とし,計画的行動理論の観点からスクールカウンセラー(以下SC)に援助を求めることに対する態度がSCへの援助要請意図(教員自身の人間関係,キャリア,メンタルヘルスに関する相談および児童との関わりに対するコンサルテーション)に与える影響に着目した。A県B市の小学校教師に質問紙調査を実施し,65名を分析対象とした。SCへの相談経験の有無に基づき多母集団同時解析を行った結果,SCへの相談経験あり群は,SCへの専門性に対する信頼と期待がコンサルテーションへ強く影響を及ぼすことが示された。またメンタルヘルス相談においては,両群共通し主観的規範があると援助要請意図が促進されることが明らかになった。小学校教師は,直接児童と関わる教員の相談相手としての役割を,専門的知識を持ったSCに期待しており,間接的援助であるコンサルテーションをSCの役割として期待していることが示唆された。