日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(臨床)

[P] ポスター発表(臨床): P234-P248

2020年9月19日~21日

[P248] 大学生における過去のいじめ経験と現在の精神的健康との関連

渡邉 健蔵1, 堀井 俊章2 (1.横浜国立大学大学院, 2.横浜国立大学)

Keywords:いじめ、精神的健康、大学生

本研究は,中学校・高等学校に在籍していた当時のいじめ経験と大学に在籍する現在の精神的健康との関連を検討することを目的として行われた。なお,性差の観点からも検討を行った。そこで,大学生を対象に,現在の精神的健康度を測る精神健康調査票及び中学校・高等学校の時のいじめの加害・観衆・傍観・被害経験の程度を測る尺度を用いて質問紙調査を実施した。その結果,重回帰分析により,中学校の頃のいじめの加害・観衆・傍観・被害経験が不安不眠などと有意な正の関連を示した。この結果から,いじめを目撃するという経験においても,不安不眠などに影響を及ぼす可能性があり,いじめが二者間だけでなく,周囲の人々に長期的に影響を及ぼしている可能性が示唆された。また,性差の観点から,男性はいじめの傍観経験及び被害経験が現在の身体的症状やうつ傾向などに影響を及ぼす可能性があるのに対し,女性はいじめの加害経験及び観衆経験が身体的症状などに影響を及ぼす可能性が示唆された。