日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(特別支援)

[P] ポスター発表(特別支援): P249-P261

2020年9月19日~21日

[P254] 通常学級での学習困難児への支援におけるICT活用に対する態度

特別支援教育に関するイラショナル・ビリーフとの関連に着目して

辻 歩実1, 小倉 正義2 (1.兵庫教育大学大学院, 2.鳴門教育大学)

Keywords:ICT学習支援ツール、特別支援教育、イラショナル・ビリーフ

学習困難のある児童生徒に対し,有効な支援の手段としてICTを利用した学習支援が考えられるが,通常学級で学習困難のある児童生徒がICTの使用を許可されない例も存在する。このような合理的配慮ともいえるICT活用が広がらない理由として,本研究では特別支援教育に関するイラショナル・ビリーフに着目し,検討を行った。特別支援教育に関するICT活用態度尺度(「ICT学習支援ツール活用への肯定的評価」「ICT学習支援ツールの教育効果に対する懐疑」「ICT学習支援ツールの使用に対する不平等感」)と特別支援教育に関するイラショナル・ビリーフ尺度(「特別視への抵抗」「知識・経験の偏重」)の各下位尺度間のPearsonの相関係数を求めた結果,特別支援教育に関するICT活用態度尺度の「ICTの使用に対する不平等感」の因子と,特別支援教育に関するイラショナル・ビリーフの2因子の間に有意な正の相関がみられた。このことから,ICT活用に対して不平等感を持っている者は,イラショナル・ビリーフを抱いていることが明らかになった。