[P265] 小学生の登校への動機づけによる出欠席状況の差異
キーワード:登校への動機づけ、出欠席状況、小学生
小中学生の登校への動機づけは,自己決定理論に則って「外的理由」「取入れ的理由」「同一化的理由」「内発的理由」の4因子構造を成すことが明らかとなっており,不登校傾向との関連性に違いが認められている。しかし,実際の出欠席状況との関連は検討されていないため,本研究ではその点を検討した。296名の小学生を対象として,以下の結果を得た。①外的動機づけ傾向群が30名,内的動機づけ傾向低群が77名,内的動機づけ傾向高群が189名であった。②出席日数については,出現率に有意な差が認められなかった。③遅刻回数については出現率に有意な差が認められ,外的動機づけ傾向群は「1~5日」「11~20日」「31日以上」が多く,内的動機づけ傾向高群は「0日」が多かった。④早退回数についても検討したが,出現率に有意な差が認められなかった。以上より,登校への動機づけは,小学生において,実際の一部の出欠席状況に対しても関与する可能性が示唆された。