日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(学校心理学)

[P] ポスター発表(学校心理学): P262-P325

2020年9月19日~21日

[P270] 高校生対象の2年間にわたる暴力防止プログラムの効果

上野 淳子1, 赤澤 淳子2, 松並 知子3, 井ノ崎 敦子4, 下村 淳子5, 北山 裕子6, 南畑 好美6 (1.四天王寺大学, 2.福山大学, 3.同志社大学, 4.徳島大学, 5.愛知学院大学, 6.大阪府立東淀川高等学校)

Keywords:アサーション、暴力観、デートDV

高校2年と3年の2年間にわたって暴力の一次予防プログラムを実施し,その効果を検証した。2年次3回,3年次2回の計5回,1回100分のプログラムを高校の授業内で実施した。プログラム受講群と受講していない対照群に対し,2年次2回(事前・事後),3年次3回(事前・事後・2か月後のフォローアップ),計5回の効果検証アンケートを行い,結果を比較した。プログラム群は2年次には暴力を認識しやすくなり,3年次にはさらに他者の立場に立って考えることができるようになっていた。アサーションスキルにも変化が見られ,3年次には説得交渉スキルは低くなり,友人からの望ましくない誘いを断ったり友人の望ましくない行為を止めたりすることが適切にできるようになることが示された。暴力防止プログラムは即時的には暴力観を変化させるだけだが,長期的,定期的に実施することで共感性やアサーションスキルの変化も起こすことが明らかとなった。