日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(学校心理学)

[P] ポスター発表(学校心理学): P262-P325

2020年9月19日~21日

[P278] 高校生のインターネット利用に関する意識と実態

ルール作りの効果に関する検討

金綱 知征1, 家島 明彦2, 戸田 有一3 (1.香川大学, 2.大阪大学, 3.大阪教育大学)

Keywords:高校生、ネット利用、ルールの効果

スマートフォンなどの携帯型高速通信機器の急速な発展と普及に伴って,ますます多様化・複雑化するネット上のリスクに対して,子どもたち自らが主体的・自律的かつ適切にネットを利用できるよう指導・支援することが求められている。1,055人の高校生を対象に実施した質問紙調査より,ネット利用に関わる家庭でのルール作りや,ルールの順守の有無が,ネット利用の実態や意識に及ぼす影響について検討した。家庭内においてネット利用に関するルールを決めている者は,決めていない者と比べて,ネットへの依存の程度が低く,また被害に対するリスク認知や被害への不安が高いことが示された。さらに,そのルールを守っていると回答した者は,守っていない,あるいはルールがないと回答した者と比べ,依存の程度,道徳不活性化の程度が最も低いことが示された。家庭内においてネット利用に関するルール作りをすることが,リスク回避の一助となることが示唆された。