[P286] いじめられる側にも責任があるって本当ですか?その13
いじめ被害者への有責性認知の他サンプルでの再現性
キーワード:いじめ、被害者への有責性認知、再現性
いじめに対する有効な解決策が確立されていない一因として,「いじめられる側にも何らかの責任がある」とするいじめ被害者への有責性認知(竹川, 2002, 2010)の問題が挙げられる。小山・福井(2014)は,大学生を対象にいじめの加害側と被害側の責任の割合を尋ね,被害側に約18.5%の責任が帰されていることを報告したが,他のサンプルでも被害者への有責性の割合に関して同様の結果が再現されるかは未検討であった。そこで,本研究では,他のサンプルにおいても,いじめ被害者と加害者の責任の割合の認知について,小山・福井(2014)と同様の結果が再現されるかを3つのサンプルで比較した。その結果,大学生の方が一般社会人よりもいじめ被害者への有責性を有意に高く見積もっていることが分かったが,年齢を統制するとその差が消失したため,小山・福井(2014)で得られた結果について,ある程度の再現性が確認されたと言える。今後は,他の関連する変数における再現性についても検討が必要であろう。