[P303] 中学生の動機づけ調整方略への学級活動を通しての支援
受験期の学習に注目して
キーワード:動機づけ調整方略、自己調整学習、中学生
本研究では,自己調整学習の観点から,高校受験を控えた中学3年生の動機づけ調整方略に関する質問紙調査を行い,その結果をもとに,実際に生徒らが用いている主要な動機づけ調整方略(目的強調方略,効力感優先方略,注意コントロール方略,報酬設定方略)を認識させ活用を促す学級活動と期末テストに向けての自己選択実践を行った。その結果,(1)効力感優先方略以外の3方略の使用度は期末テスト準備での学習進展感評定と正相関すること,(2)学級活動1回目から2回目への記述変化の分析から,「紹介された方略を自身の生活の中で具体化して使用する」,「紹介された複数の方略を状況に応じて使い分ける」等の自律的使用が生じること,が示された。以上から,自己の動機づけには調整できる面があると気づき,協同的に知った方略を体験の中で自己調整する機会を設ける学級活動の実践の可能性が示されたと考える。